五月人形の種類
五月人形は大まかに分けると、人形飾りの大将飾り(たいしょうかざり)と甲冑飾り(かっちゅうかざり)との二種類に分けられます。お好みの五月人形や、お部屋のスペース、ご予算に合わせてお選び頂けます。
大将飾り

お人形を中心にした飾りで、一般的には、両側に弓太刀(弓と太刀の飾り)を添えて飾ることが多いです。男の子の無地の成長を願い、強く逞たくましくの願いが込められる大将人形は、 武具甲冑で身を固めつつも、あどけない表情の少年武者が多いため、おひな様のように楽しく飾れます。 有名な武将を模したものや、武具の意匠、大きさにバリエーションがあり、飾る空間に応じて楽しむことができます。 最近では、次男、三男の端午飾りとして注目を浴びているようです。
Point
- 比較的小さな人形が多く、飾り場所や収納スペースが気になりません。
- 飾り付けや片付けがとても楽です。
- お人形なのでお部屋の雰囲気に合わせやすいです。
- 比較的小さめなので、豪華さに欠ける傾向があります。
甲冑飾り

甲冑は、古くから命を守る象徴として考えられていました。武家屋敷の時代に屋敷の外に甲冑を着せた人形を飾っていましたが、庶民は本物の武具などは持っていませんでしたから、厚紙などで武者の人形を作り飾っていたそうです。武士の時代が終わった現在では、戦いの道具ではなく、事故や病気から赤ちゃんや子供を護ってくれるようにという願いを込めて飾られるようになりました。
Point
- とにかくかっこいいです。
- 作りが精巧で美しく、大きな物になると豪華に飾れて見栄えがします。
- 大きな物になると飾るスペースや収納スペースが必要です。
- 顔当て(面頬)が付いている場合、子供が怖がることがあります。
その他のお人形
五月人形の主役である、大将飾りや甲冑飾りの両脇を飾る、魔除け、お守り的な役割のお人形もあります。
武者人形(むしゃにんぎょう)
武者人形とは、江戸時代に鎧兜飾りから別れた、 いずれも男児の健やかな成長を祈念するにふさわしい、伝説的な英雄や物語の主人公が中心になった勇ましい人形です。その姿形に関わらず、人形(ひとがた)の五月人形は武者人形と呼ばれることが多いです。 魔除けの神々を模した鍾馗人形(しょうきにんぎょう)や、童人形(わらべにんぎょう)と呼ばれる金太郎など様々な歴史上・伝説上の英雄豪傑たちや、飾り馬など、様々な種類の武者人形が存在し、こよなく愛されています。
鍾馗人形(しょうきにんぎょう)

五月の節句の魔よけとして飾られるようになった鍾馗人形ですが、由来は唐の玄宗皇帝が病に臥している時、帝の夢のなかに現れ、悪鬼を退治してくれた豪傑です。帝が夢から覚めると病はすっかり治っており、喜んだ帝は、画家に命じて夢に見た鍾馗を描かせました。とても努力家で頭がよく優しい人だったことから、疱瘡除けや学業成就に効があるとされ、特に関東地方では五月人形として、近畿地方では魔除けとして鍾馗像を屋根に置く風習が見られるようです。今では優しく愛らしい子ども顔の人形の方が人気ですが、魔除け・厄除けといった端午の節句の本来の意味からも昭和30年代頃までは、武者人形を代表する存在でした。
童人形(わらべにんぎょう)

五月の節句の魔よけとして飾られるようになった鍾馗人形ですが、由来は唐の玄宗皇帝が病に臥している時、帝の夢のなかに現れ、悪鬼を退治してくれた豪傑です。帝が夢から覚めると病はすっかり治っており、喜んだ帝は、画家に命じて夢に見た鍾馗を描かせました。とても努力家で頭がよく優しい人だったことから、疱瘡除けや学業成就に効があるとされ、特に関東地方では五月人形として、近畿地方では魔除けとして鍾馗像を屋根に置く風習が見られるようです。今では優しく愛らしい子ども顔の人形の方が人気ですが、魔除け・厄除けといった端午の節句の本来の意味からも昭和30年代頃までは、武者人形を代表する存在でした。
飾り馬(かざりうま)

馬は古来より勇ましく、跳ねる等の性質から男の出生にたとえられ、昔から端午の節句の浮世絵や色々な図絵をみると必ず節句飾りのなくてはならない添え飾の一品となって描かれてきました。戦国時代、馬は一握りの力と位のある将しか持てませんでした。そういったことから、「男功なり立派な馬を持ち一軍の将のようになるように」「元気で健やかに夢をかなえられる男子に育つように」と願いを込めて端午の節句や結婚祝い、栄進、昇進祝等として飾られてきました。
五月人形 飾り方の特徴
一般的には親王飾り・収納飾り・ケース飾り・多段飾りの四種類が存在します。 それぞれの特徴を掴み、家庭にあった雛人形を選びましょう。
平飾り(ひらかざり)

一段のみの飾り台や、毛氈(フェルト素材で赤い色の物が多い)などを用いて直に飾り付ける方法をいいます。
鎧兜飾り・武者人形ともに、この平飾りが最も主流な飾り方となります。
単に平飾りと言っても、床から飾り台が高くなっている高床式平飾りや、飾りを収納出来る収納飾りなど様々な種類があります。
屏風と弓太刀を飾るのが一般的です。
段飾り(だんかざり)

主に三段で構成された飾り台で、もっとも華美で豪華な飾りになりますが、非常に大型で設置場所をえらびます。
段飾りへは、五月人形の他に下記のような飾りを飾ります。
- 上段 五月人形、櫃(ひつ)、弓太刀(ゆみたち)、篝火(かがりび)
- 中段 陣笠(じんがさ)、陣太鼓(じんだいこ)、軍扇(ぐんせん)
- 下段 吹流し、粽(ちまき)、瓶子(へいし)・八足台(はっそくだい)、柏餅(かしわもち)、鯉のぼり
八足台の代わりに三方台(さんぽうだい)を飾るなど、五月人形によって違いが見られます。
着用飾り(ちゃくようかざり)

甲冑を、実際に着用できる本格的な五月人形です。 初節句は通常の五月人形として楽しみ、主に三、五、七歳時に着用できるように作られています。 成長に合わせ、その勇姿を記念撮影することができるので、とても人気があります。 飾り方は平飾りが中心ですが、三段飾りや、ケース飾りのものもあります。
収納飾り(しゅうのうかざり)

飾る台に、収納するスペースが備え付けられたもので、住宅事情の変化もあり人気のある飾り方です。 収納スペースの関係で飾り台には高さがあり、その形態は高床式平飾りに分類されます。 全ての飾り部分を台下に収納する事ができるため、同等サイズの五月人形より収納スペースは小さくなります。
ケース飾り(けーすかざり)

ガラスやアクリルのケースに、セットされている飾り方です。 埃の影響を受けにくく、最も飾りやすく、最もメンテナンスがしやすい五月人形と言えます。 兜飾り、武者人形をはじめ、小柄の鎧飾りや、実際に着用できる兜飾りのものもあります。